1-11バクトリアとパルティア-古代イランの変遷③
この範囲は、前3世紀ごろから紀元3世紀までの間に勃興したバクトリアとパルティアがテーマとなる。 バクトリアは紀元前3世紀から紀元3世紀の間イラン高原に建国されたギリシア系国家である。最盛期のバクトリアはインドのマウリヤ朝衰退に乗じてガンダーラ(現在のパキスタン付近)にまで進出したことで、ギリシアのヘレニズム文化をインドに伝え、ガンダーラ美術に大きな影響を与えた。 また、パルティアは紀元前3世紀から紀元3世紀の間イラン高原を支配したイラン系国家で、セレウコス朝シリアから独立し、その後は第一回三頭政治の一角であるクラッススを破るなどローマとの対立を続けた王朝である。 最終的にバクトリアは大月氏に、パルティアはローマとの戦乱で衰退しそれに乗じたササン朝に滅ぼされた。