アナトリアからインダス川流域までを支配する大帝国アケメネス朝とアテネを中心とするエーゲ海の国々との戦争がペルシア戦争だね!
圧倒的なアケメネス朝の軍事力を前に、勝利を勝ち取ったアテネがエーゲ海の覇権を握り民主制を完成させたことは世界史にも大きな影響を与えたよ!
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★この範囲のあらまし
この範囲は、ペルシア戦争がテーマとなる。
ペルシア戦争は前500年~前449年にかけてアケメネス朝ペルシアがエーゲ海方面に侵攻し、ギリシアの諸ポリスがそれに対抗して行われた戦争である。
ギリシアの諸ポリスは計3度アケメネス朝ペルシアの侵攻を撃退し独立を守った。
またアテネにおいてはこの戦争をきっかけとして戦艦の漕ぎ手であった無産市民の影響力が増大したたことで参政権が拡大し、両親がアテネ生まれの成人男性市民にすべてに参政権が付与された。
アケメネス朝の侵攻から全ギリシアを守ったという実績からアテネはほぼ全ギリシア諸ポリスの指導的立場に躍り出たが、その絶頂を境に腐敗が始まり、アテネに対立するスパルタを中心とした勢力との内乱に進んでいく。
こういった大きな戦争は戦闘の順番や影響などを多岐にわたって問いやすいから、知識と知識の紐づけを特に意識してね!
★この範囲で覚えること
<ペルシア戦争>
ペルシア戦争について覚えるべき事柄は、ペルシア戦争の発端からその後発生した主要な3つの戦闘についてである。
ペルシア戦争について、覚えておくべき事柄を以下の表にまとめた。
スクショポイント:ペルシア戦争
戦闘の名称 | ギリシアの指導者 | アケメネス朝の指導者 | 結果 | 年号 |
イオニア植民市(ミレトス)の反乱 | ― | ダレイオス一世 | ミレトスを支援したギリシアに対しアケメネス朝の侵攻が始まる。 | ― |
マラトンの戦い | ― | ダレイオス一世 | アテネ重装歩兵部隊がアケメネス朝を撃破 | 前490年 |
サラミスの海戦 | テミストクレス | ― | 三段櫂船を用いたアテネ海軍がアケメネス朝を撃破 | 前480年 |
プラタイアの戦い | ― | ― | ギリシア連合軍がアケメネス朝軍を撃破 ペルシア戦争のギリシア勝利が確定する | 前479年 |
※太字は覚えておくだけでよい
「✓CHECK」の内容はいやらしい問題の選択肢に含まれることが多いから注意!
Tips
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Greek_Galleys.jpg
以上が、<ペルシア戦争>について覚えるべき事柄である。
★私大(March・関関同立・早慶上智ICU)対策のための用語
<ペルシア戦争>
・テルモピレーの戦い…前480年8月に行われたスパルタ対アケメネス朝との戦い。この戦いにスパルタは破れアケメネス朝の侵入を許した。※サラミスの海戦はこの一か月後。
・ミルティアデス…マラトンの戦いでのギリシア軍の指導者。数的不利にもかかわらずギリシアを勝利に導いた。
・クセルクセス…ダレイオス一世の子。テルモピレーの戦いでスパルタに勝利するも、サラミスの海戦、プラタイアの戦いに敗れ、部下に殺害された。
★学習確認Stepテスト
以下に、この範囲で暗記すべき事柄に関するミニテストを用意した。すべて暗唱できるようになるまで反復すれば、この範囲でもう学習することはない。
Step1:ペルシア戦争
ペルシア戦争の発端から主要な3つの戦闘について、その名称、ギリシアの指導者、アケメネス朝の指導者、結果・影響をそれぞれ答えよ。
Step2:ペルシア戦争
ペルシア戦争におけるマラトンの戦い、サラミスの海戦、プラタイアの戦いの年号をそれぞれ答えよ。
★はっつんの編集後記
受験的な話になるけど、ペルシア戦争一つとって話をしても
①ペルシア戦争の歴史(戦闘のあった順番・名称)
②ペルシア戦争を中心とする当事者への影響(アテネ民主制への影響)
③ペルシア戦争後への影響(デロス同盟の結成とそれをきっかけにするペロポネソス戦争)
④ペルシア戦争とアレクサンドロス大王の東方遠征の因果関係とその後(ヘレニズム時代)
と問題が作りやすい。入試改革後に求められる力は、こういった「知識を知っている前提で」「それがどう影響したのかを横断的に把握し表現する能力」であるため、<知識をまず覚える><流れを何度も反復する>ことを大切にしてほしい。
暗記は無駄、というのは日本の受験における無知を露呈しているだけ。
覚える内容も理解する内容もテスト形式が変わっただけで今までと同じなんだ。
ペルシア戦争の縦の軸として
・アテネ民主制への影響
・ペロポネソス戦争へのつながり
・ヘレニズム時代との因果関係
まで説明できるようになると完璧!
ただ、まずは単純に覚えるところから始めよう!
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