ローマ共和政を押さえるためには背景に平民と貴族の身分闘争があったと知っておくと楽になるよ!お互いの権力バランスをとるためにいろんな制度が成立したんだけど、入試的には5つの事柄を覚えておけばOK!
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★この範囲のあらまし
この範囲は、ローマ共和政がテーマとなる。
ローマはティベル川のほとりにラテン人たちによって建設された都市で、共和政は前6世紀待つごろ、先住民であったエトルリア人の王を追放し始まったとされる。
当時のローマには、貴族(パトリキ)と平民(プレブス)の間に身分差が存在し、結婚などを通じた身分の移動は禁じられていた。
政治は貴族(パトリキ)によって独占されており、特に重大な決定は貴族のみで構成される終身の元老院で行われ、平民が意思決定に参加することはなかった。
しかし、中初農民が重装歩兵として国防に重要な役割を果たすようになると、平民たちの政治参加への要望が強まり、貴族(パトリキ)と平民(プレブス)の間に身分闘争が発生した。
ローマ共和政の歴史は、この身分闘争の歴史でもある。
国防への参加=参政権の獲得、という図式は古代ギリシアでも見た構図だね!ローマも同じような歴史を経て、市民が政治に参加していくようになるよ!
★この範囲で覚えること
<ローマ共和政の始まり>
ローマ共和政について覚えるべき事柄は、①ローマ共和政の歩みについてである。
ローマ共和政について、覚えておくべき事柄を以下の表にまとめた。
スクショポイント:ローマ共和政の歩み
出来事 | 年号 | 説明 |
護民官の設置 | 前494年 | 平民保護の担う役職として設置 元老院やコンスルに対する拒否権を持つ |
平民会の設置 | ― | 護民官の選出を行う平民による会議として設置 ホルテンシウス法制定後は全ローマ国法を制定する立法機関となる |
十二表法の制定 | 前450年ごろ | ローマ初の成文法 貴族による法の独占防止のため制定 |
リキニウス・セクスティウス法の制定 | 前367年 | 執政官(コンスル)1名を平民とした 公有地の保有に制限を設けた |
ホルテンシウス法の制定 | 前287年 | 元老院の承認なく平民会の決定を全ローマ国法とする 身分闘争の終結となる |
※太字は覚えておくだけでよい
まずは十二表法からホルテンシウス法の制定まで、一気に覚えてしまおう!
その後ホルテンシウス法の制定により国内の制度を整えたローマは、ここからイタリア半島の統一を果たし地中海に進出するよ!
★私大(March・関関同立・早慶上智ICU)対策のための用語
この範囲では難関私大でのみ必要となる用語はない。
★学習確認Stepテスト
以下に、この範囲で暗記すべき事柄に関するミニテストを用意した。すべて暗唱できるようになるまで反復すれば、この範囲でもう学習することはない。
Step1:ローマ共和制の始まり
ローマ成立の成立過程において重要な5つの出来事とその説明をそれぞれせよ。
★はっつんの編集後記
世界史に初めて取り組んだ時、「リキニウス・セクスティウス法ってめちゃくちゃ長いな…。だるっ。」と思ったのを今でも覚えている。(そのあとのマルクス=アウレリウス=アントニヌスで乾いた笑いが出た)
入試では法律の内容から常にリキニウス・セクスティウス法かホルテンシウス法のどちらかを選ぶことになるので、混同には注意したい。細かく聞いてくる大学だと、コンスルの人数まで突っ込んでくるのできっちり押さえよう。
私大入試になると「こんなことまで聞くの!?」みたいなことがいまだに聞かれるから、細かい数字まできっちり覚えよう。あ、もちろん年号は国公立でもマストだからね!
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