歴史の勉強なのになんで語族とか覚えるの?しかもたまに入試でも聞かれるし、というのが受験生の率直な思いかと思う。
言語学の領域まで行くとその意義がわかるんだけど、今わかっている必要もないので割り切って受験のためと覚えてしまおう。
※サクッとポイントを押さえたい人は↓をタップ
★この範囲のあらまし
この範囲は、世界史で学ぶ語族がテーマとなる。
語族とは、ある元となった言語(祖語)とそこから派生した言語の系統を指す。
入試的には特にオリエント地域で活躍した民族がどの語族に属していたかが問われやすい。
各民族がインド=ヨーロッパ(印欧)語系、セム語系、民族系統不明のどれに属していたか主に問われるけど、インド=ヨーロッパ(印欧)語系と民族系統不明だけ覚えて、それ以外はセム語系としてしまえば問題ないよ!
★この範囲で覚えること
<世界史で学ぶ語族>
語族で見る世界史について覚えるべき事柄は、古代オリエントで活躍した民族がインド=ヨーロッパ(印欧)語系、セム語系、民族系統不明のいずれに属していたかについてである。
各民族が所属していた語系について、覚えておくべき事柄を以下の表にまとめた。
スクショポイント:語族で見る民族の分類
語系 | 国家/民族 |
インド=ヨーロッパ(印欧)語系 | リディア メディア アケメネス朝ペルシア ヒッタイト |
民族系統不明 | シュメール人 海の民 |
セム語系 | アッカド人 バビロン第一王朝(古バビロニア王国) アッシリア フェニキア人 ユダヤ人 新バビロニア |
※太字は覚えておくだけでよい
インド=ヨーロッパ(印欧)語系は「リディア、メディア、アケメネス朝、ヒッタイト」と音で覚えてしまえばOK!
民族系統不明のシュメール人と海の民を追加で覚えればそのほかの民族がセム語系になるのでわざわざ覚える必要はないよ。
以上が、<語族で見る世界史>について覚えるべき事柄である。
★私大(March・関関同立・早慶上智ICU)対策のための用語
この範囲では難関私大でのみ必要となる用語はない。
★学習確認Stepテスト
以下に、この範囲で暗記すべき事柄に関するミニテストを用意した。すべて暗唱できるようになるまで反復すれば、この範囲でもう学習することはない。
Step1:語族で見る民族の分類
インド=ヨーロッパ(印欧)語系に属する民族と民族系統不明とされる民族を答えよ。
Hint:インド=ヨーロッパ語(印欧)語系の民族が4つ、民族系統不明の民族が2つ言えればよい。
★はっつんの編集後記
インド=ヨーロッパ(印欧)語系に属する人たちは東はインドから西はヨーロッパに広がっていて、実はもともと同じ言語を話していた、つまりは出自が一緒の人たちなんだよね。
アイスランドからインドに住んでる人たちはもともとは同じ出自だった…。すごいわ…。
ちなみに資料集にイギリス人やフラン人の顔とアーリア人(北西インド~イランの人たち)の顔写真が載っているんで興味のある人は見比べてみるといい。顔立ちの系統が似てるからよりぐっとこのすごさが伝わると思う。(ちなみに、インド南部に住む人たちはドラヴィダ系といわれていて、顔立ちの系統も全く異なる)
なんでこんなに分布が広がったのか、この記事を作る時の調べものでその理由をめちゃくちゃ面白く説明してくれている動画を見つけたから興味のある人はYouTubeで「気候が遠く離れた地域の言語を似せる? インド=ヨーロッパ語族が生まれた背景」で調べてみてほしい。
受験的にはインド=ヨーロッパ語系と民族系統不明の民族を覚えておしまい!
受験としての勉強自体はサクっ終わらせてしまおう!
ちなみに、古い(おおむね2010年以前)教材や教科書を使うとエジプト語系のことを指して「ハム語系」という言葉を見るかもしれない。これは旧約聖書が根拠となって使用されていた概念で現在の言語学においては明確に否定されているのでもし見かけたり教えられたりしても受験知識としては覚えないように。
コメント