・内乱の一世紀の概要を知りたい人
・内乱の一世紀について整理したい人
・内乱の一世紀についての知識を確認したい人
の役に立ちます。
グラックス兄弟の改革から第二回三頭政治の終了、つまりアウグストゥスの即位までが内乱の一世紀と呼ばれる時代だね！今回はその前半部分にあたるよ！
※サクッとポイントを押さえたい人は↓をタップ
★この範囲のあらまし
この範囲は、内乱の一世紀がテーマとなる。
中小農民の没落によって低下したローマの軍事力に危機感を抱いたのがグラックス兄弟であった。彼らは農民の没落によって拡大する貧富の差の拡大と、それによって引き起こされる民主政治の崩壊を食い止めようと、中小農民の没落を防ぐための政策を打ち出した。
彼らは、リキニウス・セクスティウス法の復活を目指し、公有地の保有に一定の基準を設け、この基準以上に土地を保有している有力者から土地を返還させ、土地を失った無産市民へ分配する法律を新たに制定しようとした。
彼らは相次いで護民官に選ばれたものの、この政策を実行する前に兄は殺害され弟は自殺に追い込まれた。
グラックス兄弟の改革の失敗を契機に、元老院などの旧来の地位をもつ閥族派と、無産市民や実力で地位を獲得した騎士層からなる平民派の対立が激化した。
- 内乱の一世紀前半の主要な登場人物を整理する
- 内乱の一世紀前半にあった主要な出来事を整理する
登場人物はグラックス兄弟と閥族派、平民派の代表格二名！これに加えて内乱の一世紀の混乱が頂点に達した2つの出来事を押さえておけばOK！
★この範囲で覚えること
＜内乱の一世紀＞
内乱の一世紀について覚えるべき事柄は、①内乱の一世紀の主要人物②内乱の一世紀の主要な出来事の2つである。
内乱の一世紀について、覚えておくべき事柄を以下の表にまとめた。
スクショポイント：内乱の一世紀の主要人物
| 名前 | 事項 |
| グラックス兄弟 | リキニウス・セクスティウス法を再制定することで中小農民の復活を計画 兄は殺害され弟は自殺し改革は失敗 |
| スラ | 閥族派の代表各 ディクタトル（独裁官）となり恐怖政治を実施 |
| マリウス | 平民派の代表格 軍制改革を実施し無産市民を職業軍人として雇用する |
※太字は覚えておくだけでよい
- マリウスは武器の自弁の前提とした市民皆兵の原則が成り立たなくなったことを認め、無産市民の職業軍人化（傭兵化）を行い、北アフリカで起こった反乱を鎮圧した。
- マリウスの職業軍人制を採用し多くの有力者が傭兵を私的に雇ったことでローマ国内では有力者同士の暴力抗争が頻発した。
マリウスの後、私兵を用いた抗争で有力となったのが閥族派のスラだね。暗殺でもなんでもござれのなかなかやばい時代だよ…。
スクショポイント：内乱の一世紀の主要な出来事
アッカド人について覚えるべき事柄は、アッカド人の民族系統、建国者、年国者の功績の3つである。
アッカド人について、覚えておくべき事柄を以下の表にまとめた。
| 出来事 | 内容 |
| 同盟市戦争 | ローマ本国の混乱に乗じ、イタリア半島の同盟市がローマ市民権を求めた反乱 |
| スパルタクスの反乱 | 剣奴スパルタクスによる大反乱 |
※太字は覚えておくだけでよい
- イタリア半島内の各都市は植民市＞自治市＞同盟市という序列の下に扱われ、一切のローマ市民権を持たなかったのが同盟市である。
- 同盟市戦争の結果、イタリア半島の全自由民が完全なローマ市民権を獲得した。
- スパルタクスの反乱は一時10万の軍勢となるほどの大反乱となり、この出来事がきっかけとなりローマは共和制から帝政へと進んでいく。
植民地という言葉のイメージが強くて意外かもしれないけど、最もローマから低い扱い受けたのが同盟市だよ。ローマ市民権がイタリア全土に適用された同盟市戦争はイタリアが都市国家から領域国家となったきっかけといわれるほど重要な出来事なんだ。
TIPS
ローマはイタリア半島内の各都市を反乱防止の目的で以下の三つに分け統治した。
- 植民市…ローマ人が植民して建設した都市。完全なローマ市民権と自治権をもつ。
- 自治市…ローマによって征服された都市。制限付きの自治とローマ市民権が与えられた。
- 同盟市…ローマによって征服された都市。自治権とローマ市民権が一切認められなかった。
以上が、＜内乱の一世紀①＞について覚えるべき事柄である。
★私大（March・関関同立・早慶上智ICU）対策のための用語
以下に、難関私大でのみ必要となる用語を掲載しておく。国公立受験者には不要なものなのでスキップしてよい
＜内乱の一世紀＞
・ユグルタ戦争…マリウスに鎮圧された、ローマが市民皆兵の原則を改め職業軍人（傭兵）による国防軍を編成するきっかけとなった戦争。
・ミトリダテス戦争…ローマの地中海支配が確立した戦争。
この範囲では難関私大でのみ必要となる用語はない。
★学習確認Stepテスト
以下に、この範囲で暗記すべき事柄に関するミニテストを用意した。すべて暗唱できるようになるまで反復すれば、この範囲でもう学習することはない。
Step1：内乱の一世紀の主要人物
内乱の一世紀の主要人物である、グラックス兄弟、スラ、マリウスについてそれぞれ説明せよ。
Step2：内乱の一世紀の主要な出来事
内乱の一世紀の主要な出来事である、同盟市戦争とスパルタクスの反乱についてそれぞれ説明せよ。
★はっつんの編集後記
無産市民の地位向上を目指し、権力者の財産に手を突っ込んだグラックス兄弟は死に、兵制改革に着手し平民派に立ったマリウスは権力者の派閥であったスラに敗れた。
というまとめ方をすると、金と権力があるほうに味方するのは一定の合理性がある。「私は常に強い者の味方だ」なんて哲学を持ったキャラクターがいたが、実際に正しいことは否めない。
スラとマリウスは頻繁に入れ替えられるから注意！同盟市戦争についても、スパルタクスの反乱やアクティウムの海戦、ポエニ戦争などと正誤判定問題で問われるから整理していこう！
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