古代において民主制がもっとも発達したのがギリシアのアテネだね!国民皆兵のもと発達していった民主制はポリスの団結を高め、アテネが有力ポリスとなった一因ともいわれているよ!
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★この範囲のあらまし
この範囲は、アテネ民主制の歴史がテーマとなる。
ギリシアに成立したポリスの中で最も典型的な形で民主制が採用されたのがアテネである。
アテネの政治制度はもともと王政であったが貴族制へと移行し貴族による政治の独占が進んでいた。
このような状態の中、徐々に軍務への奉仕と引き換えに参政権の範囲が広がる改革が行われ、軍務につく成人男性全て参政権が付与されるようになった。
血縁や地縁に関わらない政治的平等が実現したことがアテネ最大の特徴だよ!
民主制の進展には、もともと貴族と市民の対立解消が目的だったこと、参政権の獲得=軍務への参加が必須だったということを意識しておくとさらに理解が深まるよ!
★この範囲で覚えること
<アテネ民主制の歴史>
アテネ民主制の歴史について覚えるべき事柄は、アテネ民主制改革を行った人々の名前と行った事柄についてである。
アテネ民主制の歴史について、覚えておくべき事柄を以下の表にまとめた。
スクショポイント:アテネ民主制の歴史
人物 | 行った事柄 | 目的 |
ドラコン(の立法) | 慣習法(不文法)の成文化 | 貴族による法解釈の独占を防止 |
ソロン(の改革) | 市民の債務帳消し 債務奴隷の禁止 財産政治 | 債務による市民の奴隷化防止 血統によらない財産の多寡による参政権の付与 |
ペイシストラトス(の僭主政治) | 中小農民の保護 国家祭典の実施 | 民主制基盤の強化 アテネに対する帰属意識の醸成 |
クレイステネス(の改革) | 血縁から地縁に基づく10部族制の導入 オストラキスモスの導入 | 血統による貴族制の排除 僭主(独裁者)の出現防止 |
ペリクレス | 両親ともにアテネ生まれの成人男性への市民権付与 | アテネ民主制の完成 |
※太字は覚えておくだけでよい
大まかなイメージとしてアテネは、
貴族政治(貴族のみが参政権を持つ)
⇒財産政治(貴族と一部市民のみが参政権を持つ)
⇒兵役につけば無条件(成人男性であれば全員)
の順で参政権が拡大していったと考えるといいよ!
以上が、<アテネ民主制の歴史>について覚えるべき事柄である。
★私大(March・関関同立・早慶上智ICU)対策のための用語
この範囲では難関私大でのみ必要となる用語はない。
★学習確認Stepテスト
以下に、この範囲で暗記すべき事柄に関するミニテストを用意した。すべて暗唱できるようになるまで反復すれば、この範囲でもう学習することはない。
Step1:アテネ民主制の歴史
ドラコン、ソロン、ペイシストラトス、クレイステネス、ペリクレスの行った事柄をそれぞれ答えよ。
★はっつんの編集後記
アテネの民主制は軍事参加=国家への奉仕がセットで結びついていたこと、もともと貴族(慣習法を学べる立場の人々)と平民(日々の生活でいっぱいいっぱいでそのような知識を得るチャンスがなかった人々)との間で対立があったことを念頭に置いておこう。
国家を守るためにはその集団内での団結が必要であり、内紛をしているうちは外敵からの侵入を容易に許してしまう。
民主主義への歩みは、「人々は平等であるべきだ」という倫理道徳的な話から始まったのではなく、共同体維持のための実利的な目的で実施されていたわけだ。
ちなみに、女性参政権が認めらるようになるのは19世紀末からであるが、イギリスやアメリカなどの主要国が女性に参政権を認めた背景には第一次世界大戦における女性の軍事事業への参加による地位向上がある。
もともと参政権と軍事参加の関係は密接に関係していたということは知っておくとよい。
アテネ民主制の流れはこれで完璧だから、しっかりと順番も含めて暗唱できるようになろう!
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