内乱の一世紀後半戦!それが三頭政治だね。三頭政治とはローマの有力者による私的な政治連合のことで、当時のローマでは元老院を筆頭とする共和制の原則が敷かれていたため独裁政治ができないようになっていたんだ。その目をかいくぐって私的勢力を拡大しようとする動きが二度に及ぶ三頭政治だよ。
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★この範囲のあらまし
この範囲は、第一回三頭政治がテーマとなる。
ローマは共和政の原則上、元老院を中心とした権力体制が出来上がり、独裁体制が出現しないよう制度が作られていた。しかし、内乱の一世紀に入り各地で反乱がおこると、旧来の元老院を中心とする共和政では問題が解決できなくなっていた。
この問題を武力を持って解決したのがポンペイウスであった。彼は私兵を投じ傭兵を集め、イベリア半島における反乱鎮圧、スパルタクスの反乱鎮圧、地中海の海賊掃討、小アジア・シリア地方の平定を達成し有力者としての地位を確立することに成功した。
急速に力をつけたポンペイウスに対し、元老院は彼が独裁を目指しているのではないかと脅威を感じ対立するようになる。
これに対して、ポンペイウスは平民から人気のあったカエサルと手を組み、また、カエサルの仲介で同じくスパルタクスの反乱で武功のあったクラッススとも手を組んで元老院に対立する政治同盟を結成した。
ローマ共和制という制度が現実に追いつかなくなったとき、それを解決したのは武力という力だった。その力を束ねた3名の私的政治同盟、それが第一回三頭政治だよ!
★この範囲で覚えること
<第一回三頭政治>
第一回三頭政治について覚えるべき事柄は、第一回三頭政治についてである。
第一回三頭政治について、覚えておくべき事柄を以下の表にまとめた。
スクショポイント:第一回三頭政治
名前 | 説明 |
ポンペイウス | スパルタクスの反乱の鎮圧 地中海の海賊掃討 小アジア・シリア・パレスチナ地方の平定 |
クラッスス | 騎士(エクイテス) パルティアとの戦闘で戦死 |
カエサル | ガリア(現在のフランス)征服 ユリウス暦の導入 ブルートゥスに暗殺される 主著:ガリア戦記 インペラトルの称号を得る |
※太字は覚えておくだけでよい
クラッススの死後、急速に力をつけたカエサルを警戒してポンペイウスは元老院と手を組むよ。けどそれすらもはねのけて、カエサルはポンペイウスに勝利、元老院を武力で制圧すると修身の独裁官に就任してしまうんだ。
以上が、<第一回三頭政治>について覚えるべき事柄である。
★私大(March・関関同立・早慶上智ICU)対策のための用語
この範囲では難関私大でのみ必要となる用語はない。
★学習確認Stepテスト
以下に、この範囲で暗記すべき事柄に関するミニテストを用意した。すべて暗唱できるようになるまで反復すれば、この範囲でもう学習することはない。
Step1:第一回三頭政治①
第一回三頭政治における、三名の名前を答えよ。
Step2:第一回三頭政治②
カエサルについて、覚えておくべき事柄をすべて答えよ。
★はっつんの編集後記
この記事を書くにあたって改めてポンペイウスやカエサルのことを調べていたんだけど、やはり圧倒的すぎる…。
ポンペイウスの平定した領土は現在のスペイン一帯、小アジアから東地中海一帯、地中海全域に及び、特に地中海における海賊の総統においては、3か月ほどで捕獲・撃沈1700隻、3万近くの海賊の無力化を達成したとのこと。陸上でも海上でも圧倒的な成果を上げている。
そして、一方のカエサルは政治家として超有能で、民衆への食糧の施しや娯楽の提供を通じ圧倒的な人気獲しながらも、その傍らガリア(現在のフランス)を平定で武勲を上げ、ポンペイウスに対する勝利後はクレオパトラとの間に子をもうけながら、ユリウス暦の導入や元老院・民会の制度改革を実行し共和制を有名無実化、約1500年続く帝政ローマの礎を作った。恐ろしいにもほどがあるな…。
ちなみに!第二回三頭政治は天才カエサルの腹心二人とカエサルの養子による権力争いだよ!権力争いに続く権力争いだね!
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