さあ、世界史の始まりだ!いきなり覚えることが多くあるからゆっくりやっていこう!
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★この範囲のあらまし
この範囲は人類の出現から歴史を積み重ねる前の時代、つまり先史の時代がテーマである。
先史の時代は、700万年前から9000年前の間の人類が石器を使用して狩猟採集による生活をしていた獲得経済の時代と人類が農耕と牧畜を開始した9000年前から現代まで続く生産経済の時代大きく二つに分けて整理する必要がある。
特定の国や地域の出来事ではなく、「人類」という大きなくくりの始まりについて学習していくよ!氷河期の終わりを起点としてその前後をざっくり「獲得経済」の時代と「生産経済」の時代に分けて整理するとわかりやすいよ!
★この範囲で覚えること
<獲得経済の時代>
獲得経済の時代について覚えるべき事柄は、化石人類の変遷、化石人類の発見場所、現存する洞穴絵画の所在地の3つである。
獲得経済の時代について、覚えておくべき事柄を以下の3つの表にまとめた。
スクショポイント:化石人類の変遷
分類 | 名称 | 道具 | 文化 | その他の特徴 | 出現年代 |
猿人 | アウストラロピテクス | 礫石器 | – | – | 約700万年前 |
原人 | ホモ=ハビリス ホモ=エレクトゥス | ハンドアックス | – | 火の使用 | 約240万年前 |
旧人 | ネアンデルタール人 | 剥片石器 | 死者の埋葬 | – | 約60万年前 |
新人 | クロマニョン人 周口店上洞人 | 骨角器 細石器 | 洞穴絵画 女性裸像 | – | 約20万年前 |
※太字は覚えておくだけでよい
入試では猿人、原人、旧人、新人の項目が入れ替えられやすいよ!あと、礫石器や剥片石器は誤字をしやすいから注意しよう!
スクショポイント:化石人類の発見場所
化石人類 | 名称 | 発見場所 | 国名 |
猿人 | アウストラロピテクス | アフリカ | |
原人 | ホモ=ハビリス ホモ=エレクトゥス | ジャワ 北京 | インドネシア 中国 |
旧人 | ネアンデルタール人 | ネアンデル | ドイツ |
新人 | クロマニョン人 周口店上洞人 | クロマニョン 周口店 | フランス 中国 |
※太字は覚えておくだけでよい
スクショポイント:現存する洞穴絵画の所在地
洞穴絵画が発見された場所 | 国名 |
フランス | ラスコー |
スペイン | アルタミラ |
※太字は覚えておくだけでよい
諸説あるんだけど、洞穴絵画のモチーフは狩猟の対象になる動物たちで、それが実際に手に入る願掛けみたいなことを行っていたのではないかといわれているよ。
「描いたら出る」ってやつだね。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Altamira_4.jpg
以上が、暗記すべき<獲得経済の時代>の事柄である。
<生産経済の時代>
生産経済の時代について覚えるべき事柄は、今から9000年前を境にして起こった大きな3つの変化についてである。
生産経済について覚えておくべき事柄を以下の表にまとめた。
スクショポイント:今から9000年前に起こった変化
9000年前を境とする暗記事項 | 食料調達方法の変化 | 使用道具の変化 | ※地質学上の区分の変化 |
9000年前 | 獲得経済(狩猟採集) | 打製石器 | ※更新世(1万年前以前) |
9000年前以降 | 生産経済(農耕牧畜) | 磨製石器 | ※完新世(1万年前以降) |
※太字は覚えておくだけでよい
氷河期の前後は地質学上の区分で更新世と完新世と呼ぶが、氷河期の終わりは1万年前、獲得経済から生産経済の移行は9000年前の出来事であるので1000年の差があることは注意しておくこと。
人類は生産経済に移ることができたからこそ人口を増やすことができ、現在の文明を築くことができたと言われているよ。まさに人類史のターニングポイントだね。
以上が覚えておくべき<生産経済の時代>の事柄である。
★私大(March・関関同立・早慶上智ICU)対策のための用語
以下に、難関私大でのみ必要となる用語を掲載しておく。国公立受験者には不要なものなのでスキップしてよい。
<猿人>
・ラミダス猿人…2001年まで人類最古の猿人と考えられていた猿人の名称。
・サヘラントロプス…現在発見されている最古の猿人の名称。
<新人>
・グリマルディ人…2万5000年前に出現した現生人類の名称。
・細石器…小型の剥片石器。狩猟に用いられ食料不足を引き越した結果、生産経済への移行を促したとされる。
<地質学上の区分>
・間氷期…氷河の後退が起こった時期。更新世と完新世の間の時期。
★学習確認Stepテスト
以下に、この範囲で暗記すべき事柄に関するミニテストを用意した。すべて暗唱できるようになるまで反復すれば、この範囲でもう学習することはない。
Step1:化石人類の変遷
<猿人・原人・旧人・新人>に対する各化石人類の名称・使用道具・文化・そのほかの特徴・出現年代を答えよ。
Hint:猿人で3個・原人で5個・旧人で4個・新人で7個の用語がある。
Step2:化石人類の発見場所
代表的な<猿人・原人・旧人・新人>の発見場所を答えよ。
Step3:現存する洞穴絵画の所在地
新人の残した代表的な洞穴絵画の所在地を答えよ。
Hint:フランスとスペインでそれぞれ具体的な地名が言えればOK。
Step4テスト:今から9000年前に起こった変化
今から9000年前の前後で食料調達方法の変化・使用道具の変化・地質学上の区分変化をそれぞれ答えよ。
★はっつんの編集後記
四足歩行から直立二足歩行へと進化を経たことで前肢が手となり、この手の動作によって脳容積が増えたことによって人類は文明を手に入れたといわれている。これにより、徐々に狩猟に用いる道具が単なる石ころから石刃となり、骨を加工するようになり、細石器の活用によって狩猟の効率を上げ、結果、狩猟動物が減少し食料不足になったことが人類を農耕牧畜という生産経済に駆り立てたといわれている。
そして、最近知った書籍に「サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福」というものがある。そこには生産経済に移行した人類を「穀物によって家畜化された生き物」と表記しているらしい。めちゃくちゃ読んでみたい。。。
穀物の生産が可能になったことで、人類は土地に縛られ穀物の世話のために重労働をしなくてはならなくなったといわれているよ。。。
起きたいときに起き、食べたいときに狩りに行けばよかった狩猟採集時代とは全然違うね。。。
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